プログラム活動

NY医学研修プログラム

医学類5年 餌取 慶史

 NYC医学研修プログラムにおいて様々な施設を訪問し、また現地の医療関係者と出会い御話をする中で、学習したこと印象に残ったことなどを実際のスケジュールに沿う形で以下にまとめます。

 スタートはPace Universityでの医学英語学習でした。英語教師として働かれ、また救急部で看護師として活躍していた経験のある方の指導のもとでの、医療面接において必要となるフレーズや単語の学習です。様々な主訴を持つ患者達からいかに迅速に診断と治療に必要な情報を聞き出すか、救急部で働かれていた経験を活かした指導を受けることができました。医療面接で大切なことは症状に関する適確な情報収集ですがその「情報収集にかかる時間の短縮」も大切ということで、いかに簡単で短くかつ理解明瞭なフレーズで患者に質問をするのか、一つ一つの質問内容に対してそれぞれ様々な表現の仕方を示して頂きました。いわゆるOPQRSTやSAMPLEのアルファベットで略記される初診患者に対する医療面接で最低限聞き出さなければならない事柄の一つ一つについてどのようなフレーズを使用するのが適当かを学習することができました。学習形式としては、模擬医療面接のような形で医師・患者および患者の同伴者をそれぞれ学生が演じ、患者役が考えた疾患や主訴を医師役が医療面接の中で聞き出して特定していくといったものです。医療面接中の医師と患者との会話はすべて先生に書き取られ、一つ一つのケースが終了するごとに全会話の英語表現を訂正し、かつ医師役に対しては何を考えて各質問をしたのか、検査としてまず何から実施するのが望ましいかなどを考察させる時間もとられました。私としては今回の研修の中で大変面白いと感じた経験のひとつがこの模擬医療面接訓練でした。というのも医療英語の学習になったのは言うまでもなくそれとは別に、患者役をやるにしても演じる疾患に関する知識が確立されていなければ医師役の質問に適確な答えは返せないので、患者役をやることでその疾患の勉強・復習になるということ、それからもちろん医師役の方は患者役から色々な情報を聞き出すにつれ疾患を徐々に絞っていくという練習になるということなどを実感したためです。大学でも比較的臨床講義が空いてくる後半の時期にBSLに入る前の学習として同様の学習形式が採られていたらもっと有意義だったのではないかと5年生になった今思っております。
 また模擬医療面接方式とは別に、各国の医療保険制度について各自が学習をしてきた上でアメリカの医療保険制度を各国と比較しながらディスカッションをする時間もありました。

 次のNew York College of Medicine内にあるSimulation Centerでは実際にStandardized patientsの方々に個室で15分間の1対1の医療面接を複数回実施し、各医療面接終了直後にStandardized patientsの方からフィードバックして頂くという形で進行しました。この施設での初日に、医療面接を実施する上で患者から収集すべき情報についての簡単なレクチャーはありましたが、実際に医療面接をしてみてPace Universityでの医学英語講座がかなり活用できたように思います。またStandardized patientsの方も大変熱心に対応して下さり、英語表現の訂正や、患者を前にした時の医師としての適切な立ち振る舞いについても指南して頂きました。英語力、対話力などを採点した用紙も個別に頂けたので自己評価と今後の課題発見に役立てることが出来ます。金沢大学でもOSCEの前に医療面接の講義がありましたが、NYCでは直すべきところや良かったところをよりはっきりと直接的にどのStandardized patientsの方にも指摘して頂けて大変有意義な2日間でした。

 最後はPhelps Hospital Emer Training CenterでのACLS Training およびACLS Examの受講でした。インストラクターの指導のもと2日間かけて一次救命、二次救命処置の仕方を学びました。心電図、呼吸音、脈拍などを再現できる人形を使用しての救命処置訓練では救命チームメンバーへの英語での指示出しにかなり苦戦しましたが、インストラクターの熱心な指導の助けもあって繰り返し何度も挑戦するにつれ最終的に臆する事なく指揮をとることができるようになりました。今回、AHAのACLS合格認定証を受け取る事が出来大変うれしく思います。

 他にも現地の医学生と医学教育、将来の専攻や医学科に進んだ動機などについて意見交換をしたり、現地の病院を案内して頂いたり、またNYC市内で開業している日本人医師のクリニックを見学させて頂き、医学英語・英会話の学習法や海外で医師として働くまでの経緯、手段などについて伺えたりして、貴重な情報を得ることが出来たと思っております。MRT学生としての視点から言えばその中でも特に、NYCへ研究留学をしに来ていた日本人医師とお話をすることができたのが大変貴重な時間だったように思います。将来的に研究者として海外の研究室にアプローチするにはどんな手段があるのか、今のうちに何を学び、習得すれば後々に自分自身の武器として自己アピールの素材にできるのかなどを伺うことができ、今後のモチベーションとして活用できそうです。

 約2週間という短い期間でしたが、今後のあと約2年間の学生生活をどのように過ごすかということに大きな影響を与えた海外研修だったのではないかと思っております。貴重な時間を経験させて頂き大変ありがとうございました。

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