事業紹介

課題

 医療は、漸進的な発展の他にいくつかの歴史的な革新によるブレークスルーを通じて発展を遂げてきた。たとえば医薬品では抗生物質の発見、医療機器ではCTやMRIなど画像診断装置の開発、また診療技術では移植医療の進歩などである。これらのメディカル・イノベーション(以下、イノベーション)は、臨床的ニーズに基づいて基礎および臨床の研究医、大学や企業の研究者や技術者などの協力により行なわれてきたが、今後はその効率を高め、基礎研究から臨床応用までの期間を短くするとともに、医療の安全性を確保していく必要がある。イノベーションの中心にいるべきは臨床的ニーズを知り、かつ研究能力を持った医師であるが、現在の医学部卒業者の大部分は市中病院の医師になり、たとえ研究マインドがあっても研究を行なう立場にない。従って、まずは医学部卒業後に大学に残って研究にかかわる医師の数を増やすことが先決である。さらにその中で、基礎的研究からトランスレーショナル研究を通じて革新的なシーズを創出し、これを他学部、他大学および企業と積極的に協力して医薬品、医療機器、診療技術などの成果に結びつけ、治験・臨床研究を通じて世に送り出していく人材を育てることが重要である。またこのような革新的医師の活躍の場を、従来の大学のみならず、企業等に拡大する必要がある。本学の理念は「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」であるが、地域に貢献する臨床医、世界に通用する研究医に加え、今後は研究を実用化して医療革新を行う医師を増加させることを目指す。

事業の概要

 医療の革新を担う医師は、すぐれた研究医であることが前提となり、かつ臨床課題の解決のために研究成果を実用化する能力を持つ必要がある。この考えに立ち、本事業では医学部(本学では医学類)学士課程、卒後初期臨床研修、大学院医学博士課程を一貫した「メディカル・イノベーションコース」を設置する。学士課程では研究への動機とグローバルな視野の涵養を行い、初期臨床研修から大学院博士課程では医療革新において実績のある特定専門分野の指導のもとに、実用化を視野においた学位研究をいち早く開始させる。また大学院の「メディカル・イノベーションプログラム」に基づき、学内外、国内外の機関や企業の協力を得て、医薬品、医療機器、診療技術の開発や規制に必要な知識や思考法を講義と演習により教育し、研修も行なう。修了後のキャリアとして、学術機関の教員・研究医のほか、企業に勤務する医師、また起業家への道も開く。本事業で養成するのは臨床医、研究医に続く第三の道として医療革新を専門とする医師である。

医療革新を専門とする医師の養成

ページトップへ