NY医学研修プログラム
医学類5年 清水 奨太
今回のNY研修プログラムは大きく分けて3つのプログラムに分かれていました。Pace大学での医学英語トレーニング、Simulation Centerでの医療面接トレーニング、Phelps HospitalでのACLSトレーニングの3つです。
NYに着いて最初に行ったことはPace大学での医学英語トレーニングでした。そこでは最初に医療面接の際に聞くべき内容(主訴、発症の日時や症状の寛解・増悪因子など)およびそれらを英語で質問する際の定型文(What brings you here?など)を学びました。ここで学んだことは、その後に続く医療面接のトレーニングの前段階として重要であったとともに、英語だけでなく医学の勉強としても意義があったと感じました。続いて医師役と患者役に分かれて学生同士で医療面接の練習を行いました。そこでは自分たちで考えた症例を使って練習を行いました。英語で医療面接を行うのは難しかったですが、徐々に上達していくのを感じることができました。さらに症例を考えること自体も疾患について深く考えることにつながり、いい勉強になったと感じました。また、医療面接全体をネイティブの先生が見てくださっていて、英語の誤りがあれば医療面接が終わってからそれらを指摘してくださいました。
Pace大学での勉強が終わると、次にSimulation Centerで模擬患者(SP)の方々を相手に医療面接の練習を行いました。2日間の日程でしたが、午前中は自己紹介やオリエンテーション、前日の反省などを行い、午後から医療面接の練習を行いました。SPとはいえ実際にネイティブの方々を相手に医療面接を行うというのは、緊張感があってとても充実していました。SPの方々はとても親切で私がSPの話す英語を聞き取れなかった時には、ゆっくり話してくれたりより簡単な表現で話してくれたりしました。医療面接の終了後にはSPの方からフィードバックを受けることができ、自分の足りない部分を認識しすぐに次の医療面接に活かすことができました。また、医療面接の様子は全てビデオで録画してくれていたので、仕草などを含めて自分自身を客観的に見直すこともできました。個人的にはこの2日間が全日程の中で最も充実していたと思うので、次回以降可能であればこの期間を延ばしてもいいと思います。
最後に行ったのがPhelps HospitalでのACLSトレーニングでした。ここではビデオを見たり実習をしたりするのが中心で英語を話す機会は3つのプログラムの中で最も少なかったですが、医学の勉強としては有意義だったと感じます。何よりACLSのライセンスを取れたというのはありがたかったです。Phelps Hospitalでは我々4人の為だけに専属のインストラクターの方がついてくさだって、ゆっくりとした英語で丁寧に教えてくださいました。特にMegacodeと呼ばれる人体模型を使った心肺蘇生のシミュレーションはおもしろかったです。与えられた状況に対して適切な判断を下して行うべき処置を考えていくのですが、座学で勉強しているよりも実践的で臨場感をもって学習することができたと思います。
以上がNY研修でのメインとなったプログラムですが、これらのプログラム以外にもSchneider先生が我々の為にNYの病院やDoctor’s officeを見学する機会を用意してくださいました。New York Hospital Queensのような大きな病院から少数の医師で経営されているofficeまで様々な規模の医療機関を見学できNYで働く医師の方々の様子を見ることができたことにより、NYで働くということはどのようなものなのかを具体的にイメージすることができるようになりました。
また夜にはSchneider先生が現地の医学生や日本人医師、研究者の方々との食事会を開いてくださいました。そこではNYにおける医学生の様子、NYで医師をするに至った経緯、どのような研究をされているのかなど様々な話をお聞きすることができました。また将来、研究留学するためにはどのような手段があるのか、どのように英語のスキルを上達させたのかなど、普段疑問に思っていたことを相談させて頂くこともできました。
この他にも空き時間にNYの街を歩いたり現地の人々と会話をしたりするなかでNYの分化に触れることができたことも大きな収穫の一つです。私にとって今回のNY研修プログラムは単に英語の上達や医学の学習といったものに留まらず、自分の見聞を広め将来に対するビジョンを明確にする上で大きな助けとなりました。今後この研修で感じたことをモチベーションの一つとして勉学に励んでいこうと思います。最後にSchneider先生をはじめとして今回のNY研修のために尽力してくださった多くの方々に感謝の言葉を申しあげたいと思います。本当にありがとうございました。