血液内科学
代表者名
イノベーション的研究の実績
- 骨髄不全の免疫病態診断に有用な高精度フローサイトメトリー法の開発(特願2010-275878:PNH型白血球の検出方法 平成22年12月10日出願)。
- PNH型血球の臨床的意義を明らかにするための観察研究OPTIMAを主催し、高精度フローサイトメトリー法の普及と保険適用申請の準備を進めている。
- モエシンに対する自己抗体の存在が再生不良性貧血における免疫病態の診断に有用であることを見出し抗体検出法に関して特許(特願2004-333725)を取得した。
- HLA遺伝子が存在する第6染色体短腕の片親性二倍体により、片側のHLA発現を失った造血幹細胞が新規発症再生不良性貧血患者の約30%に検出されることを見出した。この検査を実用化するための観察研究を進めている。
- 抗酸化薬レスベラトロールが、NK細胞による免疫を賦活することに加えて、リンパ腫や骨髄増殖性疾患に対する増殖抑制活性を示すことを明らかにし、至適投与量を決定するための臨床第I相試験を実施した。
予定研究テーマ
- 骨髄不全の免疫病態を診断する新たなマーカーとして我々が同定した「造血幹細胞における第6染色体短腕の片親性2倍体によるHLAのloss of heterozygosity (LOH)」現象を高感度で検出するためのフローサイトメトリーおよび定量的PCR法を開発し、実施検査への導入を目指す。
- 上記のLOHを起こしたリンパ球からiPS細胞を作製し、このiPSから誘導した造血前駆細胞を標的として細胞傷害性T細胞(CTL)を単離することにより、再生不良性貧血における自己抗原を同定する。
- この自己抗原特異的T細胞を標的とする新たな再生不良性貧血診断法と治療法を確立し、実地臨床への応用を目ざす。
国内外の協力機関
- アメリカ:国立衛生研究所血液部門血液部門
- イタリア:フローレンス大学腫瘍研究所
- タイ:マヒドン大学血液内科
- 京都大学 病理学教室
- 大阪大学血液腫瘍内科